8士業とは│知られざる士業の世界

行政書士といえば、そこそこ認知はされているものの、世間的には「何となく法律系の人」というイメージが浸透していて、実のところ「何をしている人達」であるのかはあまり知られていないように思います。筆者の事務所でも、ご相談に来られた方から時折税務や登記に関するご質問をいただくこともありますが、これはまったくの専門外であり、たとえ無料であったとしても、そもそも相談を受けることすら禁止されています。
そこで今回は、皆さまが士業をより利用しやすくなるように、混同されがちな「8士業」と呼ばれる職業人の職域について、簡単にまとめて紹介していきたいと思います。
8士業とは
士業とは、行政書士や弁護士のように「○○士」の肩書きを持つ職業人又はその団体を指します。広義では保育士や栄養士など、すべての「○○士」が士業に含まれますが、狭義では、これらのうち、職務上必要な場合において戸籍・住民票等の取得請求権が認められている以下の8つの業種を(8)士業と呼んでいます。
名称 | 監督官庁 | 主な独占業務 |
弁護士 | 日本弁護士会連合会 | 訴訟手続など法律事務全般 |
弁理士 | 特許庁 | 特許等に関する特許庁などの機関への手続代理など |
司法書士 | 法務省 | 登記代理、裁判所・検察庁・法務局に提出する書類作成、簡裁代理業務など |
土地家屋調査士 | 法務省 | 表示登記申請代理など |
行政書士 | 総務省 | 官公署に提出する書類の作成、権利義務・事実証明に関する書類の作成など |
海事代理士 | 国土交通省 | 海事に関する行政機関への申請、届出、登記その他の手続代理など |
税理士 | 国税庁 | 税務代理など |
社会保険労務士 | 厚生労働省 | 労働社会保険諸法令に基づく申請代理など |
弁護士
他人の依頼を受けて、法律事務を処理することを職務とする専門職です。8士業の中では、唯一職能団体(日本弁護士会連合会)による自治が認められています。
題材にしたドラマや書籍も多く、メディアに登場する機会も多いことから、一般層に対して最も認知度の高い資格であるといえます。
★弁護士の職域
法律事務全般
弁理士
知的財産権に関する業務を行う専門職です。優れた技術的思想の創作(発明)、斬新なデザイン(意匠)、商品やサービスのマーク(商標)に化体された業務上の信用等を特許権、意匠権、商標権等の形で権利化をするための特許庁への出願手続代理や、それらの権利を取消または無効とするための審判請求手続・異議申立て手続の代理業務を行います。
★弁理士の職域
特許庁に対する特許権、意匠権、商標権等に関する出願手続代理や、それらの権利を取消又は無効とするための審判請求手続・異議申立手続の代理
司法書士
他人の依頼を受けて、登記及び供託の手続きを代理するほか、裁判所、検察庁、法務局及び公証役場に提出する書類の作成提出、財産管理業務、経営管理業務、その他の法律事務を業として行う専門職です。また、法務大臣の認定を受けた司法書士は、簡易裁判所が管轄する民事事件を本人を代理して行うことができます。
★司法書士の職域
登記及び供託の手続きの代理、裁判所、検察庁、法務局及び公証役場に提出する書類の作成提出、財産管理業務、経営管理業務、その他の法律事務
★認定司法書士の職域
簡易裁判所が管轄する民事事件の代理
土地家屋調査士
他人の依頼を受けて、土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査・測量して、図面の作成や不動産の表示に関する登記の申請手続などを行う専門職です。司法書士が不動産の権利に関する登記を職域とするのに対し、土地家屋調査士は表示の登記を職域としています。
★土地家屋調査士の職域
土地や建物の所在・形状・利用状況などを調査・測量して、図面の作成すること、及び不動産の表示に関する登記の申請手続
行政書士
他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類及び権利義務・事実証明に関する書類に関して、法律に基づき作成、作成・提出を代理又は代行し、加えて、書類作成に伴う相談に応ずることを業とする専門職です。
また、特定行政書士の付記がある者については、行政書士が作成した官公署提出書類に関する行政不服申立て手続等の代理、作成に伴う相談などに応ずることができます。
書類に関してはオールマイティな職種であるような印象を受けますが、実際には各士業法において当該士業の独占業務とされている書類については作成することは出来ません。ただし、作成することが出来る書類は10,000種以上にわたるため、書類作成に関してエキスパートであることは間違いありません。
★行政書士の職域
官公署に提出する書類及び権利義務・事実証明に関する書類に関して、法律に基づき作成、作成・提出を代理又は代行し、加えて、書類作成に伴う相談に応ずること
★特定行政書士の職域
行政書士が作成した官公署提出書類に関する行政不服申立て手続等の代理、作成に伴う相談などに応ずること
海事代理士
他人の依頼によって、船舶登記や船舶登録、検査申請、船員に関する労務、その他海事許認可など、海事に関する行政機関への申請、届出その他の手続及びこれらの手続に関し書類の作成を代理・代行することを業とする専門職です。
船舶登記を行うことから「海の司法書士」、海事許認可を取り扱うことから「海の行政書士」、船員に関する労務に携わることから「海の社会保険労務士」とも言われています。
★海事代理士の職域
船舶登記や船舶登録、検査申請、船員に関する労務、その他海事許認可など、海事に関する行政機関への申請、届出その他の手続及びこれらの手続に関し書類の作成を代理・代行すること
税理士
他人の求めに応じ、各種税金の申告・申請、税務書類の作成、税務相談、税に関する不服審査手続き等の業務を行う専門職です。
弁護士と並び、名称と職務内容が一般層にも浸透しているメジャー資格の一角です。ただし、一般的には「公認会計士」との職域の違いがあまり知られていないという一面もあります。
★税理士の職域
税務代理、税務書類の作成、税務相談、租税に関する事項についての保佐人、及び税理士業務に付随する財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務
社会保険労務士
労働保険・社会保険諸法令に基づいて、行政機関に提出する提出書類や申請書等を、依頼者に代わって報酬を得て作成すること、労務管理や社会保険についての相談・指導を行うことを業とする専門職です。
加えて、社会保険労務士名簿に、紛争解決手続代理業務試験に合格した旨の付記を受けると、個別労働関係紛争の解決手続(調停、あっせん等)の代理を行うことを業とすることができます。
★社会保険労務士の職域
労働保険・社会保険諸法令に基づいて、行政機関に提出する提出書類や申請書等を、依頼者に代わって報酬を得て作成すること、労務管理や社会保険についての相談・指導を行うこと
★特定社会保険労務士の職域
個別労働関係紛争の解決手続(調停、あっせん等)の代理
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